ご挨拶

写真:医療政策・経済研究センター長

一橋大学社会科学高等研究院(HIAS)
医療政策・経済研究センター長
佐藤主光 (SATO, Motohiro)

現在、日本の医療費は年間40兆円を超えています。国の社会保障関係の経費は30兆円にのぼり、大きな財政負担となっています。介護給付費は、介護保険制度がスタートした2000年度は年間3.6兆円でしたが、今では年間8兆円と急速に膨れ上がってきています。これは経済・財政問題であり、大きな社会問題であることは広く認識されているところです。

「限られた医療資源」をどのように分配するべきか、本当に医療や介護を必要としている人に資源を充当するためにどこに無駄な部分があり、その無駄をどのように削減すべきか考える必要があります。また、医療・介護は公的な領域であり、個々の病院や施設の採算がとれていればよいというものではありません。地域の医療圏、またプライマリ・ケアを含む医療提供システムが、質の高い医療・介護を効率的、効果的に提供していかなければなりません。これらのことを実現するために、費用対効果に関する検証をはじめ、経済学、経営学、会計学や財政学の知見が大きな役割を果たします。

このような背景の中、一橋大学では2015年度に医療経済の研究の高度化を目的として「医療政策・経済研究センター」を設置しました。センターでは、高度な研究分析を基にした政策提言や社会への発信、医療現場に精通しながらも社会科学の総合的専門教育を受けた人材の育成、さらにこれらの活動を通じた他大学・研究機関・医療機関との研究・教育ネットワークの構築を推進してまいります。

研究・教育を通じて、医療経済の課題解決に貢献していきたいと考えております。