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一橋大学大学院の修士課程および専門職学位課程に在籍する学生を対象とした専門職業人養成プログラム

医療経済プログラムは、高度な知識と能力を備えた専門職業人を養成することを目的として、一橋大学大学院経済学研究科が提供している「専門職業人養成プログラム」の一つです。

背景とねらい

社会の高齢化に伴い、医療費は増加の一途を辿っています。2013年度には、国民医療費は40兆円を超えました。こうした医療費は、国民からの保険料、税、および自己負担によって賄われています。その増加は国や地方自治体の財政悪化の要因であり、国民・経済にとって、大きな負担となっています。政府は、医療費の適正化(抑制)や効率化を図ってきましたが、その先行きは定かではありません。   我が国において、医療は「経済問題」であり、その「持続性」が問われています。国民の健康・生命に関わる医療サービスの質を確保しつつ、効率・公平に提供するためには、高騰する薬剤費の適正化、家庭医の普及や病院の連携・機能分化、経営改革など医療提供体制の見直し、医療保険・診療報酬制度の改革が求められています。そこには、エビデンス(実態把握)とロジック(論理構築)を基礎とする、経済学等社会科学の知見が必須です。例えば、「費用対効果」などコストに見合う効果の検証や健康増進・効率化に人々や医療機関の選択を誘導する「インセンティブ改革」などがあります。   医療経済プログラムは、一橋大学大学院の修士課程および専門職学位課程に在籍する学生を対象とし、このような社会的要請に応え得る人材を育成することを目的に設計されたプログラムです。修了要件を満たした学生には、課程修了時にプログラム修了証が授与されます。   医療経済プログラムでは、経済学にとどまらず経営学、社会学、医学、工学などの科目を含む学際的なカリキュラムを提供しています。一部の科目は、東京医科歯科大学、東京工業大学の教員が担当します。理論と実践による体系的な専門教育を行い、医療に係る社会科学の学問的知識に加え医療現場への理解など、幅広い観点で持続的な社会を展望できる力を養います。   医療現場における課題解決や官公庁等における政策形成など、医療関連のプロフェッショナルを目指す学生、また、医療・介護機関や製薬企業、医療機器メーカー、官公庁、自治体など、医療や社会保障の現場で働く社会人学生の方の参加を期待しています。

特徴

●医療にかかる社会科学の学問的知識を有し、幅広い観点で持続的な社会を展望できる、専門性の高い人材を育成します。
●経済学にとどまらず経営学、社会学、医学、工学などの科目を含む学際的なカリキュラムから構成されています。
●経済学研究科以外の研究科・専門職大学院からも参加できます。(※1)
●一橋大学が参画する四大学連合(※2)の枠組みを活かし、東京医科歯科大学と東京工業大学の教員が担当する科目も提供されます。
●東京医科歯科大学の修士課程の学生も本プログラムの科目を履習可能であり、多様なバックグラウンドの学生が切磋琢磨する環境にあります。
※1 経営管理研究科修士課程経営管理専攻研究者養成コース、経済学研究科修士課程研究者養成コースおよび法科大学院を除く。
※2 四大学連合:東京医科歯科大学、東京外国語大学、東京工業大学、一橋大学

参加要件

本プログラムの参加要件は、一橋大学大学院の修士課程または専門職学位課程の1年次に在籍していることです。ただし、経営管理研究科修士課程経営管理専攻研究者養成コース、経済学研究科修士課程研究者養成コースおよび法科大学院からは参加できません。入試については、各研究科・大学院のHP等でご確認ください。研究科によっては、社会人特別選考などを行うところもあります。
※ 各研究科・大学院の履修規則により、プログラムの科目を履修できない場合があります。プログラムの参加前に所属研究科・大学院の履修規則を確認してください。

参加方法

一橋大学大学院へ入学後、4月初めに「医療経済プログラム」への参加募集が経済学究科より行われますので、下記の書類を提出してお申込みください。その後、書類選考、面接(いずれも4月中)を経てプログラムへの参加が認められます。     <医療経済プログラム参加者の募集について(PDF形式)>  
提出書類
書類提出先 経済学研究科事務室宛にメールにてご提出ください。 メールアドレス:ec-kyomu[atマーク]econ.hit-u.ac.jp

一橋大学経済学部に在籍する学生で、経済学研究科の「5年一貫教育システム」に参加する学生は、学部3年生の秋学期から冬学期に実施される試験において、専門職業人養成プログラムへの募集も同時に行われます。5年一貫教育システム参加内定者となることにより、同時に専門職業人養成プログラム参加内定者ともなりますので、改めて応募する必要はありません。

ただし、5年一貫教育システム参加内定者は、学部4年次に指定された大学院入試を必ず受験しなくてはなりません。指定された入試を受験・合格することにより、修士課程への入学が正式に許可されたことになります。

修了要件

1. 医療経済プログラム科目リストから14単位以上を修得すること。

2. 以下の科目群から6単位以上を修得(選択必修)すること。

健康増進政策論・医学総論(2単位)、医療管理政策論(2単位)、保健医療活動とリスク管理(2単位)、医療工学概論(2単位)、医療産業論(2単位)、医療経済学セミナー(2単位)、インディペンデント・スタディ(4単位)

※ 医療経済学セミナーでは、『医療経済』をキーワードに、様々な分野の講師を内外から招いてリレー式に講義を実施。医療経済学や医療政策についての最先端のトピックについて学び、ディスカッションに参加。

※ インディペンデント・スタディでは、学生が医療政策に関するコンサルティングの仕事を自治体や医療機関などから擬似的に請負い、依頼機関との情報交換を重ねながら調査研究を行い、最終報告書を提出。

※ 経営管理研究科と国際・公共政策大学院の学生については、修了要件に一部特例があります。

医療経済プログラムの修了要件は上記の通りですが、各研究科・大学院の修士課程・専門職学位課程の修了要件は別に定められているため、履修科目の選択時にはよく確認してください。
なお、医療経済プログラム科目リストにある科目は、本プログラムに参加しなくても、所属研究科・大学院の履修規則の許す範囲で履修できます(インディペンデント・スタディを除く)。

医療経済プログラム科目リスト

医療経済プログラム科目リスト    ( )内は単位数
選択必修 健康増進政策論・医学総論(2)
医療管理政策論(2)  *1
保健医療活動とリスク管理(2)  *1
医療工学概論(2) *2
医療産業論(2) *2
医療経済学セミナー(2)
インディペンデント・スタディ(4)
専門科目 医療保険論(2) *2
医療経済論II(2) *2
現代経済論B(2) *3
医療経済分析(2)
社会保障論II(2)
社会政策特論(2)
MMA科目 医療社会政策論(1)
人的資源管理(1)
財務・会計(1)
ポストコロナ社会における感染症対策
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科の修士課程 医歯理工保健学専攻 医療管理政策学(MMA)コースで提供される医療経済プログラム科目(大学間協定により他大学科目扱いで単位修得が可能) 東京医科歯科大学湯島キャンパス(御茶ノ水)にて、18時以降の時間帯に開講

*1  隔年開講 *2 千代田キャンパスもしくはオンラインにて開講 *3 学部教育科目

医療経済プログラムに参加するにあたって、各研究科・大学院において修得しておくことが推奨される科目群

経営管理研究科
管理会計特論(大学院科目。医療経済プログラムを履修しながらの履習で可)
経済学研究科
ミクロ経済学(上級、もしくは中級); マクロ経済学(上級、もしくは中級); 計量経済学(上級、もしくは中級); 公共経済学I・II; 公共支出論A・B
国際・公共政策大学院(IPP)
ミクロ経済分析; マクロ経済分析; 計量経済分析; 公共経済分析; 応用計量経済分析I・II
社会学研究科
社会福祉

修了要件についての特例

経営管理研究科と国際・公共政策大学院の学生については、下記の修了要件についての特例があります。

経営管理研究科

所属プログラムに応じて、以下の経営管理研究科科目を選択必修科目として扱います。

 
所属プログラム 経営管理研究科科目 単位数 備考
修士課程経営学修士コース経営分析プログラム 経営戦略 ※ 6単位まで
企業データ分析
財務会計
管理会計
修士課程経営学修士コース経営管理プログラム 経営戦略
企業データ分析
財務会計
修士課程経営学修士コース金融戦略・経営財務プログラム ファイナンス理論の基礎
会計・バリュエーションの基礎
行動経済学
業績管理会計

国際・公共政策大学院

修了要件のうち一部の科目を以下の通り読み替えます。

経済学研究科科目名 単位数 国際・公共政策大学院科目名 単位数 備考
健康増進政策論・医学総論 医療と保健
医療管理政策論 医療管理学
保健医療活動とリスク管理 保健医療とリスク管理
インディペンデント・スタディ コンサルティング・プロジェクト指導 I ※ I および II を併せて履修
コンサルティング・プロジェクト指導 II
医療保険論 医療保険政策論
医療産業論 医療産業政策論
医療経済論 II 医療経済政策論
 

(以下の科目は、国際・公共政策大学院の授業科目として履修し単位を修得することで、同名称・共修の経済学研究科科目を履修して単位を修得したものと扱う。)

経済学研究科科目名 単位数 国際・公共政策大学院科目名 単位数 備考
医療工学概論 医療工学概論
医療経済分析 医療経済分析
医療経済学セミナー 医療経済学セミナー

お問合せ

一橋大学大学院経済学研究科 事務室
医療経済プログラム・大学院入試について 5年一貫教育システムについて
e-mail:ec-kyomu[atマーク]econ.hit-u.ac.jp Fax: 042-580-8195 〒186-8601 東京都国立市中2-1 経済学研究科 教育開発担当 e-mail:e-develop[atマーク]econ.hit-u.ac.jp  

教員紹介(2023年度)

   
教員 教員
荒井 耕 Ko ARAI 一橋大学大学院経営管理研究科 教授 MMA 財務・会計 等 佐藤 主光 Motohiro SATO 一橋大学大学院経済学研究科 教授 一橋大学国際・公共政策大学院 教授 医療保険論 等
本田 文子 Ayako HONDA 一橋大学大学院経済学研究科 教授 HIAS Healthセンター長 白瀨 由美香 Yumika SHIRASE 一橋大学大学院社会学研究科 教授 MMA 医療社会政策論 等
井伊 雅子 Masako II 一橋大学大学院経済学研究科 教授 一橋大学国際・公共政策大学院 教授 医療経済論Ⅱ 等 Takaku_1 高久 玲音 Reo TAKAKU 一橋大学大学院経済学研究科 准教授 医療経済論Ⅰ等
中村 良太 Ryota NAKAMURA 一橋大学大学院経済学研究科 教授 医療経済学セミナー 医療経済分析 等 山重 慎二 Shinji YAMASHIGE 一橋大学大学院経済学研究科 教授 一橋大学国際・公共政策大学院 教授 インディペンデント・スタディ 等
小塩 隆士 Takashi OSHIO 一橋大学経済研究所教授 医療保険論 社会保障論Ⅱ 等
医療工学概論 健康増進政策論・医学総論 医療管理政策論 保健医療活動とリスク管理 ポストコロナ社会における感染症対策

パンフレットダウンロード

医療経済プログラムのパンフレット(2023年3月版)はこちらからダウンロードいただけます。<PDFダウンロード>

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