『社会保険旬報』第2957号(3月11日号)にHIAS Health 研究員の荒井耕教授(一橋大学大学院経営管理研究科)の論文「医師1人当たり財務指標への医療法人属性の影響―医療法人財務データベースを活用した『病院経営管理指標』の充実に向けて―」が掲載されました。
病院経営が厳しい中、医療内容を決定づける医師にいかに収益等に貢献してもらうかは病院経営層にとって大きな関心事であり、病院によっては医師1人当たり収益及び利益を経営管理指標としてきた。しかし 病院経営上比較参照値としうる他病院群の財務指標を提供してきた 厚生労働省の『病院経営管理指標』では、医師1人当たり収益及び利益は提示されてこなかった。おそらくそのこともあり、医師当たり収益及び利益を経営管理指標とする病院群であっても、当指標の経年比較管理は6割前後の病院で実践される中、他院比較管理は2割前後でのみ実践される状況となっている。 そこで本稿では、医療法人の『事業報告書等』や新たに創設された『経営情報等』を活用して厚生労働省が『病院経営管理指標』を今後どのように充実させるべきかを明らかにした。 具体的には、医療機能や労働装備率、ソフト等装備率、経営規模などが医師当たり収益及び利益にどのような影響を及ぼしているのかを分析し、 どのような属性に基づく病院群区分から医師当たり収益及び利益の比較参照値を提示していくことが有用であるかを明確にした。
荒井耕・古井健太郎(2025)「医師1人当たり財務指標への医療法人属性の影響―医療法人財務データベースを活用した『病院経営管理指標』の充実に向けて―」『社会保険旬報』第2957号(3月11日号)pp.6-13.
参考:社会保険旬報 2025.3.11 No.2957<外部リンク>