HIAS Health研究員の荒井耕教授(一橋大学大学院経営管理研究科)の著作『病院の財務実態:多角経営時代の医療法人』(中央経済社)が刊行されました。
| 中央経済社 発行日 2020年12月14日 A5判 / 392頁 ISBN 978-4-502-36761-8
この本の内容地域医療の主たる担い手である医療法人病院に焦点を当てて, 本来業務多角化類型や拠点展開類型, 地域対応類型, 附帯業務多角化類型, 病院診療領域類型などの病院経営医療法人の経営類型に着目しつつ, その財務実態を明らかとしている。このことを通じて, 医療法人の経営多角化が進展する中で, 多角化等の経営方針がどのような財務的影響をもたらしているのかの把握を試みている。また同時に, 診療報酬政策などにより医療提供体制を経営する厚生労働省にとっての財務情報基盤を充実させる方法を具体的に提示している。既存の財務報告制度を活用した本書の分析を通じて, 質が高く効率的な地域医療を実現しその持続性を確保する上で重要な, いわば政府のための管理会計制度を提唱している。 |
目次
序章 | 事業報告書等データベースの概要 ―― 本研究の基盤 |
第1章 | 経営類型の現状 ―― 経営類型への着目と定義 |
第2章 | 病院経営医療法人全体での財務実態 |
第3章 | 経営類型別の採算性 |
第4章 | 経営類型別の財務健全性 |
第5章 | 経営類型別の資産利用効率性・収益性 |
第6章 | 経営方針による財務への影響 |
第7章 | 経営類型別財務実態の経年変化分析 |
第8章 | 経営類型別の法人属性別財務実態 |
第9章 | 財務実態への経営類型の影響力 ―― 経営類型の財務説明力の検証 |
補論 | 病床機能報告との連動による財務実態分析の拡張 |