会計検査院の研究誌である『会計検査研究』第70号に、HIAS Health 研究員の荒井耕教授(一橋大学大学院経営管理研究科)の論文「経営類型別の診療所等経営医療法人への新型コロナ流行による財務的影響の経年変化―第1波-第2波期の影響から第3波-第5波期の影響への変遷―」が掲載されました。
 
本論文は、診療所等を経営する医療法人を 病床の有無・種類や多角化状況などにより 13種類に類型化した上で、3つの流行環境下における多様な財務側面への影響の経年推移を明らかにしています。第1-2波の影響下にあった決算期には、どの類型も事業採算性が大きく悪化し、12類型では補助金を加えても悪化したままでしたが、第3-5波の影響下にあった決算期には、医科診療所を代表する無床診附帯無型など6類型では、補助金による支援がなくとも事業採算性は既に流行前まで回復しており、第3-5波下でさらに浸透した補助金を加えた場合には、12類型で流行前よりも採算性が向上し、10類型では流行前から1%pt以上も向上したことなどが明らかにされています。
 
荒井耕(2024)「経営類型別の診療所等経営医療法人への新型コロナ流行による財務的影響の経年変化―第1波-第2波期の影響から第3波-第5波期の影響への変遷―」『会計検査研究』第70号 pp.89-99.
 
なお本論文は、以下のサイトからダウンロードできます。
参考:会計検査研究<外部リンク>