国立大学法人一橋大学と独立行政法人国際協力機構(JICA)は、2017年8月24日(水)、共同研究にかかる覚書を締結しました。
 
この共同研究では、セネガル共和国におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を支援するための技術協力プロジェクト『コミュニティ健康保険制度及び無料医療制度能力強化プロジェクト』のインパクト評価を行います。
 
UHCは途上国の国民(特に貧困層)全てに医療保険を適用、医療支出による家計破たんを解消するとともに医療サービスへのアクセスの改善を狙いとするものです。日本政府は「国際保健外交戦略」(2013年5月)においてUHCの主流化を戦略目標に掲げ、その実現に向けた円借款を表明しました。セネガルUHC事業は国際協力機構(JICA)の円借款と2017年~2021年に技術支援を行うものです。技術支援はセネガル三州10県のうち3県を対象として実施され、本研究ではこの技術支援が健康保険の普及や家計の医療費負担軽減等に与える効果を評価します。具体的には、ティエス、ジュルベル、タンバクンダの三州において、支援開始前(2017年時点)に家計調査及び共済組合(保険者)調査を現地で実施し、保険加入率、組合ガバナンスの現状についてデータ収集・分析を行い、技術支援後の2021年に改めて同様の調査を実施して改善効果を定量的に検証するものです。
 
今回の共同研究にかかる覚書の締結に先立ち、2017年6月には、一橋大学から中村良太准教授(一橋大学社会科学高等研究院、HIAS Health 研究員)と真野裕吉講師(一橋大学大学院経済学研究科)が現地に赴き、JICA人間開発部およびJICAセネガル事務所と協力して予備調査を実施しました。
 
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2017年6月 予備調査の実施